計画分娩とは自然に陣痛が来る前に計画的に入院し、陣痛促進剤などを使用して分娩に誘導することをいいます。
対象となる方は、
①妊娠高血圧症候群など、医学的な理由により妊娠継続が望ましくない方
②ご家庭の事情により出産のタイミングをコントロールしたい方
③無痛分娩など、ある程度計画的に出産することが管理上望ましい方
などとなります。
タイミングとしては38週以降に組むことが多いですが、子宮口の状態によって1週間単位で調整します。
入院時の子宮口の状態が固く閉じていれば、ラミナリア(膨張材)やメトロイリンテル(風船)などを子宮口に留置し、拡張を促します。
ある程度、子宮口が開いたところで陣痛促進剤を始めます。投与方法は内服と点滴、製剤の種類はプロスタグランジンとオキシトシンがあります。子宮口の状態、陣痛の強さなどによって使い分けてゆきます。
陣痛促進剤のリスクに過強陣痛があり、子宮破裂や胎児除脈をきたすことがあります。そのため、実施前にはリスクについての十分な説明と同意が必要です。
過強陣痛を事前に防ぐために、分娩監視装置を装着し、陣痛の強さと胎児の心拍を持続的にモニターする必要があります。そして点滴で投与する場合には、投与量を安定させるために電子制御された輸液ポンプを使用します。これらの注意を払うことで、より生理的な陣痛をつけて安全に分娩に導くことができるのです。
等々力産婦人科
鈴木啓太郎