分娩予約をいただいている方から風疹検査についてのご質問をいただきましたので、この項で詳しく解説いたします。
妊婦さんが妊娠中に風疹に感染すると、赤ちゃんに先天性風疹症候群という病気が発症することがあります。
先天性風疹症候群の症状は、白内障や緑内障などの眼症状、先天性心疾患、感音性難聴などです。
感染時期が早いほどリスクが高く、4~6週で100%、7~12週で80%、13~16週で40~50%、17~20週で6%、20週以降では0%とされています。
妊娠前から抗体を獲得しておくことが最大の予防法です。過去にワクチン接種や既往感染のない方は、妊娠前に抗体検査を受けましょう。安全な抗体の値は32倍以上とされています。16倍以下であれば妊娠前にワクチン接種を受けておきましょう。
妊娠初期検査で風疹抗体価の検査をしますが、32倍以上256倍未満の方は十分な抗体を持っているため、ご安心していただいて結構です。
抗体価が256倍以上の場合は精密検査を行います。再検査で4倍以上の上昇があるときや、IgM抗体が陽性のときに感染が最近おこった可能性がでてきます。同じく256倍のままでIgMが陰性であれば、もとの抗体価が高かっただけとの判断になりますので、ご安心いただいて結構です。
抗体価が16倍以下の場合には、妊娠中に風疹に感染するリスクがありますので、できるだけ人込みを避け、風疹感染が明らかな方との接触を避けていただく必要があります。
風疹感染者との接触あったり、風疹様症状(発熱、発疹、リンパ節腫大)のある方には精密検査を行います。
等々力産婦人科
鈴木啓太郎