妊娠中期の血液検査でHTLV-1スクリーニングを行います。
スクリーニング検査では偽陽性も多いので、陽性と出た場合にはウエスタンブロット法による確認検査が必要になります。そこでも陽性が出た場合にはHTLV-1キャリアすなわちウィルス保有者と診断されます。
このウィルスはATLという白血病の一種の原因ウィルスといわれています。HTLV-1キャリアからのATLの生涯発症頻度は3~7%といわれていますが、ATLに有効な治療法はまだ開発されておりません。
HTLV-1は母乳への移行があり、お子様への経母乳感染の危険があります。長期母乳による児への感染率は15~40%といわれているため、HTLV-1キャリアと診断された場合は授乳をせず人工栄養とするか、搾乳後に凍結保存した母乳を保温して与えるか、3ヶ月間の短期授乳にとどめるなどの対応が必要になります。
等々力産婦人科
鈴木啓太郎