以前は高血圧、蛋白尿、浮腫(むくみ)を主症状とする妊娠中毒症といわれていましたが、最近では浮腫がはずれて妊娠高血圧症候群とされています。
高齢妊娠、高血圧症の家族歴・既往歴、妊娠中の過度な塩分摂取・就労などがリスクファクターとなります。
治療法は、安静、適度な塩分制限、降圧剤、マグネシウム製剤の投与が行われます。改善されない場合には早期娩出が考慮されます。
妊娠高血圧症候群においては、胎盤機能不全や胎児発育不全をきたすこともあるので、超音波での血流ドップラー検査やNSTによって胎児胎盤機能を適時評価する必要があります。
合併症として、子癇発作(全身のけいれん)、常位胎盤早期剥離、HELLP症候群(肝障害・血小板減少・溶血尿)などがあります。いずれも母児ともに大変危険な状態に陥るため、緊急帝王切開などの措置が必要となります。
等々力産婦人科
鈴木啓太郎