妊娠37週を迎えると正期産の時期に入り、胎児心拍数モニタリングが頻繁に行われるようになります。
通常の状態で赤ちゃんの持続的な心拍数を観察することで、赤ちゃんの健康状態が評価できます。この検査には陣痛計もついており、陣痛の強さや間隔、陣痛が赤ちゃんに及ぼす影響もみることができます。
赤ちゃんの心拍数の基準線が110~160回/分の範囲にあり、細かい変動が見られていれば『基線細変動あり』の正常パターンといえます。さらに活発な胎動とともに小さい山がいくつも出ていれば『一過性頻脈』といって赤ちゃんの状態は良好と判断されます。
20~30分の検査でこのような様子が確認されれば、1週間毎の検査で十分とされています。
一方で『基線細変動の消失』や、陣痛から少し遅れて発生する徐脈『遅発一過性徐脈』、2分以上連続して生じる徐脈『遷延一過性徐脈』、10分以上続く徐脈『持続性徐脈』などが検出されれば、赤ちゃんの低酸素状態が疑われます。ただちに帝王切開が必要となる場合もありますが、状況に応じて酸素投与や体位変換などで経過をみることもあります。
陣痛と同期して生じる一時的な徐脈は『早発一過性徐脈』といわれ、赤ちゃんの頭が産道で押されて生じる生理的反射の一つで、問題はないとされています。
等々力産婦人科
鈴木啓太郎