6月に入ってジメジメとした日が続くと、夏休みの計画を立て始めたいところですね。
妊娠中の旅行は不安も大きいけれど、出産後しばらくは行けないことを考えると、遠出もしたい気持ちはよくわかります。この項では妊娠中の旅行について考えてみましょう。
いわゆる妊娠の安定期といわれる時期は16週から28週頃までです。それは妊娠16週頃に胎盤がほぼ完成し、子宮の内壁に接着します。妊娠28週を過ぎるとおなかも大きくなり、張りやすくなります。旅行に行くのであればこの時期がねらい目です。
ただし、切迫流産や切迫早産、前置胎盤、妊娠高血圧症候群などのリスクがある方には、決してお勧めできません。
計画がある程度たった段階で担当医に相談してみましょう。異常がある場合には、はっきり止められると思いますが、何もリスクがなければ自己責任でといわれることでしょう。
自己責任といわれても困ってしまいますが、コツをいくつか紹介します。
まず大切なのが、保険証、母子手帳を忘れないこと。そして旅行先で異常があった時に受診できる施設をあらかじめ調べておきましょう。旅行先の治安状態、衛生状態も確認し、余裕をもって行動することです。
飛行機での移動では、気圧の変動でおなかが張りやすくなることもあります。お守り代わりに張り止めの処方をしてもらうのも一考です。
また、妊娠中はエコノミー症候群のリスクが高くなります。こまめに水分を取って、機内を歩いたりふくらはぎの運動を時々行いましょう。弾性ストッキングを履けば血栓症だけでなくむくみの対策にもなります。
上記を参考にしていただき、あくまでも自己責任でおでかけくださいませ。
等々力産婦人科
鈴木啓太郎