喫煙は百害あって一利なしとはよく言われますが、特に妊娠中は赤ちゃんにとって大きな影響を及ぼします。
喫煙の際に摂取されるニコチンには血管を収縮させる作用がありますので、胎盤や胎児の血液の循環を悪化させます。その結果、赤ちゃんの体重が標準より大きく下回り、深刻な胎児発育遅延をおこします。
また、喘息や新生児無呼吸など呼吸器疾患との関連も多く指摘されています。原因のまだ判明していない新生児突然死に至ってはリスクを3倍も引き上げると言われています。
妊婦さんご自身が喫煙をしていなくても、近くで喫煙していれば受動喫煙の危険があります。家族や職場などでも気を付けていきたいところです。
最近では禁煙補助薬も多く開発されていますが、妊娠中には使用できません。もともと喫煙習慣のある女性は、妊娠前から禁煙に努めてゆきましょう。
等々力産婦人科
鈴木啓太郎