超音波検査で胎児染色体異常の有無を推測するソフトマーカーの一つにNT(nuchal translucency)があります。
NTとは胎児の後頚部にたまったリンパ液による浮腫のことです。
妊娠11週から14週の間に超音波で胎児を真横から観察して、後頚部の浮腫の厚さを計測します。
3㎜以上に厚い場合、胎児の染色体異常(特に21番、18番のtrisomy)や先天性心疾患の疑いが比較的高まっていると推測されます。
妊婦さんの年齢、NT計測値によって、異常の確率が推定されますが、一定以上厚いからといって必ずしも異常があるわけではありません。NTが指摘された場合には、羊水検査により染色体異常の有無を調べることが出来ます。
染色体異常の有無にかかわらず、胎児が成長してゆくとリンパ液の流れが改善し、NTは目立たなくなります。
等々力産婦人科
鈴木啓太郎